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はじめに

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2回目?の「はじめに」を考える

スズキハスラーが街を走り始めた。ときたま見掛ける。

格好が良い訳でもない。どちらかと言えば変哲もない車。見ようによっては玩具みたいな車。存在感?、あるような無いような。何と無く普通じゃない感覚は残る。

宣伝するほどものが積める訳もない。所詮は軽自動車だ。でも、傍目を気にしないで密かな楽しみには使えるような気がする。たいそうな目的には向かないでしょう。

脇道にちょっと入ってみる。買い物の帰りとか、送り迎えの途中とか、普段は見過ごすだけの空間に何かを感じる時がある。心の漣(さざなみ)の音を聞いてみる。



少々傷つくことがあっても気にしないでいい。泥濘(ぬかるみ)であろうが、大きな石ころがごろごろしていていようが、雨も雪も、脱輪のリスクさえ、過剰に神経質になる必要のない、こけおどしの格好を付けて無理矢理に追い越し車線を突っ走る必要もない、そういう車。

昔、車は自分だけの空間を与えてくれるものだった。アクセルを踏めばその空間は別次元に入り込む。今までの目前の現実は、只の景色になって流れ始める。車の魔法が昔はあった。

やがて只の道具になった。こけおどしの下品な車達(多くは乗り手も下品?)と、靴よりも下駄よりも無関心に粗末に扱われる車達と。売り手のお仕着せの「夢」をトレースする見かけだけの車。

何かが失われてきた。



ハスラーはその何かを取り返す可能性を見せてくれる。

「千と千尋」の映画のようにふとした弾みで異次元の世界へ入り込む。忘れていた何かを取り返す。心に刻みなおす。嫌、そんな偶然なものじゃない。定年を意識した人たちは、人生の片隅においてきたものを探す時間旅行にでる。

ハスラーは心のタイムマシーンなのだ。



ハスラーを開発したスズキ自身がハスラーが何か理解できていない。アウトドア、スポーツ、レジャー、若者、ファッション。好手と悪手は隣り合わせと聞くがまさにその通り。このままでは頓珍漢な派生商品を作り始めるだろう。

それでも、スズキが設定したシナリオに乗る人たちも居る。カスタムカーがウンザリするくらい出てくるだろう。魅力的なルックスとお仕着せの夢を満載して。



ブログ・コンセプト:ハスラー・ピクチャー・オン・ザ・ネット

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